生産者

ワインの個性はブドウ品種やテロワールに左右されますが、生産者の哲学も重要な要素です。たとえば、同じボルドー/ポムロールのメルロー主体でも、シャトー・ペトリュスはコンクリートタンクを用い年間約3万本の少量生産。10年以上の長期熟成が前提の緻密で荘厳なクラシックスタイルを追求します。シャトー・ル・パンは新樽のフレンチオーク小樽を用い、年間7,000本前後と超少量生産。5年目くらいから楽しめる果実味あふれる官能的なモダンスタイルが特徴で、両者の味わいは大きく異なります。
ブノワ・アント
Domaine Benoît Enteは、ブルゴーニュ・ピュリニー・モンラッシェを拠点に約6haの畑を手がける小規模ながら高評価の生産者です 。1990年に祖父からワイン造りを学び、祖父母から受け継いだ畑で経験を積み 、1998年に自身のワイナリーを設立し、翌1999年に初ヴィンテージを発表しました 。有機農法を実践し、除草剤を使わず下草を残すことで水分管理を助ける栽培法を採用しています 。収穫は手摘みで行い 、酸・糖・ミネラルの最適なバランスを見極めて収穫時期を決定します 。果実は低温プレスの後 、ドゥミ・ミュイやフードル、ステンレスタンクで発酵させます 。新樽使用を控え 、熟成は木樽、特にドゥミ・ミュイやフードルといった大樽に加え 、“ワイングローブ”と呼ばれるガラス容器も活用し 、果実やミネラルの純粋な表現を尊重します 。かつては新樽比率を高め、頻繁なバトナージュでリッチな味わいで国際市場を狙うスタイルでしたが 、2004年を契機に新樽率を大幅に抑え、バトナージュも最小限とする方向へ大胆に転換しました 。これにより、酸とミネラルを核とした透明感のあるワインへと進化し 、「結晶のような純粋さ」でピュリニーを代表する造り手と評される存在となりました 。

市場参考価格は国内オンラインショップのうち品質に気を配っていると思われるショップ約20店舗の毎月月初の最高値を表示しています。

詳細はhttps://www.wine-searcher.com/average-priceをご確認ください。