生産者

ワインの個性はブドウ品種やテロワールに左右されますが、生産者の哲学も重要な要素です。たとえば、同じボルドー/ポムロールのメルロー主体でも、シャトー・ペトリュスはコンクリートタンクを用い年間約3万本の少量生産。10年以上の長期熟成が前提の緻密で荘厳なクラシックスタイルを追求します。シャトー・ル・パンは新樽のフレンチオーク小樽を用い、年間7,000本前後と超少量生産。5年目くらいから楽しめる果実味あふれる官能的なモダンスタイルが特徴で、両者の味わいは大きく異なります。
シャトー・ラ・ミッション・オー・ブリオン
Château La Mission Haut-Brionは、ボルドー・グラーヴ地区ペサックに位置し、格付けは1953年のグラーヴ格付けで赤赤ワイン部門のクリュ・クラッセとして認定された名門です。隣接する第1級格付けのシャトー・オー・ブリオンとともに、芳醇でスモーキー、肉付きのよい味わいを持つワインとして知られています。カベルネ・ソーヴィニョン主体ながら、メルローの比率も高く、豊かで重層的な果実味と力強さが特徴。丁寧な区画管理と新樽比率の高い熟成により、オー・ブリオンよりもやや筋肉質なスタイルを持つとされます。
1983年、オー・ブリオンを所有するディロン公爵家がラ・ミッションを買収し、両シャトーを傘下に収めたことは業界に大きな話題を呼びました。「ロートシルト家の対抗馬と呼ばれたミッションが、オー・ブリオンの兄弟となった」というエピソードは、名門同士の関係性の転機として語り継がれています。品質・格調ともにボルドー左岸屈指の存在であり、ペサック・レオニャンの最高峰のシャトーの一つです。

市場参考価格は国内オンラインショップのうち品質に気を配っていると思われるショップ約20店舗の毎月月初の最高値を表示しています。

詳細はhttps://www.wine-searcher.com/average-priceをご確認ください。