生産者

ワインの個性はブドウ品種やテロワールに左右されますが、生産者の哲学も重要な要素です。たとえば、同じボルドー/ポムロールのメルロー主体でも、シャトー・ペトリュスはコンクリートタンクを用い年間約3万本の少量生産。10年以上の長期熟成が前提の緻密で荘厳なクラシックスタイルを追求します。シャトー・ル・パンは新樽のフレンチオーク小樽を用い、年間7,000本前後と超少量生産。5年目くらいから楽しめる果実味あふれる官能的なモダンスタイルが特徴で、両者の味わいは大きく異なります。
シャトー・オー・ブリオン
Château Haut-Brionは、ボルドー・グラーヴ地区ペサックに位置する1855年格付け第1級の名門で、唯一メドック外から選ばれた存在です。砂利質土壌が生む繊細でスモーキーな香りと、柔らかく緻密なタンニンが特徴で、他のメドックの第1級シャトーが持つ力強く堅牢なスタイルと異なる、力強さと繊細さが融合した個性を持ちます。伝統を重んじつつも、光学式選果機、クローン選抜など最新技術も積極的に導入。特にステンレスタンクは1961年にボルドーで最初に導入しています。カベルネ・ソーヴィニョンに加え、メルローとカベルネ・フランの比率が高めなのも特徴です。
17世紀、英国王チャールズ2世の宮廷で供され、「ニュー・クラレット」(新しいボルドーワイン)として大流行した記録が残っており、歴史上初めて国際的なブランドとなったワインともいわれています。その比類なき優雅さと熟成力は、現代においても変わらず世界中の愛好家を魅了しています。

市場参考価格は国内オンラインショップのうち品質に気を配っていると思われるショップ約20店舗の毎月月初の最高値を表示しています。

詳細はhttps://www.wine-searcher.com/average-priceをご確認ください。