生産者

ワインの個性はブドウ品種やテロワールに左右されますが、生産者の哲学も重要な要素です。たとえば、同じボルドー/ポムロールのメルロー主体でも、シャトー・ペトリュスはコンクリートタンクを用い年間約3万本の少量生産。10年以上の長期熟成が前提の緻密で荘厳なクラシックスタイルを追求します。シャトー・ル・パンは新樽のフレンチオーク小樽を用い、年間7,000本前後と超少量生産。5年目くらいから楽しめる果実味あふれる官能的なモダンスタイルが特徴で、両者の味わいは大きく異なります。
ドメーヌ・アルマン・ルソー
Domaine Armand Rousseauはジュヴレ=シャンベルタンの古参名門。醸造は伝統重視で、選果後に除梗。過去には果醪の通気性確保のため茎を一部(およそ15%まで)発酵に用いたが、未熟茎がもたらす苦味を避ける観点から全房発酵には否定的である。発酵は開放式のステンレスタンクで2〜3週間、温度上限は31℃、ピジャージュとルモンタージュを1日2回行う。樽内でマロラクティック発酵と熟成を行う。上位キュヴェ(シャンベルタン、クロ・ド・ベーズ、クロ・サン=ジャック)は良年で新樽比率が最大100%、その他は抑制的。瓶詰はおおむね18〜24か月後。1930年代にはワイン専門誌『ルヴュー・ド・ヴァン・ド・フランス』の創始者であるレイモン・ボードワンの助言で自社瓶詰と輸出にいち早く踏み出したことでも知られる。
2代目当主シャルル・ルソーが、1983年ブルゴーニュの腐敗問題や1978,79年の蔵内の細菌や酵素に起因する問題による不出来を自ら認めたことは、ワインの品質に対する誠実な姿勢を示し、評価を高めた。

市場参考価格は国内オンラインショップのうち品質に気を配っていると思われるショップ約20店舗の毎月月初の最高値を表示しています。

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