生産者

ワインの個性はブドウ品種やテロワールに左右されますが、生産者の哲学も重要な要素です。たとえば、同じボルドー/ポムロールのメルロー主体でも、シャトー・ペトリュスはコンクリートタンクを用い年間約3万本の少量生産。10年以上の長期熟成が前提の緻密で荘厳なクラシックスタイルを追求します。シャトー・ル・パンは新樽のフレンチオーク小樽を用い、年間7,000本前後と超少量生産。5年目くらいから楽しめる果実味あふれる官能的なモダンスタイルが特徴で、両者の味わいは大きく異なります。
シャトー・ラトゥール
Château Latourは、ボルドー・メドック地区ポイヤック村に位置する1855年格付け第1級の名門で、比類なき構造と長期熟成力を誇る重厚なワインで知られます。特に、中心区画「ランクロ(L’Enclos)」から収穫されたブドウのみで造られるグラン・ヴァンは、極めて厳格な選果と区画ごとの醸造を経て、新樽100%で長期熟成。力強くも緻密なタンニンと濃密な果実味を備え、数十年単位の熟成に耐えるワインとして高く評価されています。
2012年、ラトゥールはプリムール市場からの撤退を発表。これは、熟成にふさわしい時期まで蔵で保管し、最高の状態で出荷するという哲学の表明であり、グラン・ヴァンの品質至上主義を象徴する決断として世界に衝撃を与えました。常に一貫したスタイルと信念を守るラトゥールは、ボルドーにおける究極の威厳と信頼を体現するシャトーです。

市場参考価格は国内オンラインショップのうち品質に気を配っていると思われるショップ約20店舗の毎月月初の最高値を表示しています。

詳細はhttps://www.wine-searcher.com/average-priceをご確認ください。