生産者

ワインの個性はブドウ品種やテロワールに左右されますが、生産者の哲学も重要な要素です。たとえば、同じボルドー/ポムロールのメルロー主体でも、シャトー・ペトリュスはコンクリートタンクを用い年間約3万本の少量生産。10年以上の長期熟成が前提の緻密で荘厳なクラシックスタイルを追求します。シャトー・ル・パンは新樽のフレンチオーク小樽を用い、年間7,000本前後と超少量生産。5年目くらいから楽しめる果実味あふれる官能的なモダンスタイルが特徴で、両者の味わいは大きく異なります。
シャトー・マルゴー
Château Margauxは、ボルドー・メドック地区マルゴー村に位置する1855年格付け第1級の名門で、卓越したエレガンスと芳醇なアロマで5大シャトーの中でも際立った存在です。砂利質の土壌が生む繊細なタンニンと香り高い果実味が特徴で、醸造では区画ごとの個別仕込みと厳格な選果を実施。2000年代には光学式選果機や新樽比率の見直しなど最新技術も導入し、クラシックなスタイルに洗練さが加わっています。
1978年、当時の新オーナー、アンドレ・メンツェロプーロスが品質再建の一環としてコンサルタントにエミール・ペイノーを招いたことで、それまで低迷していた評価を一変させました。その成果は1983年の秀逸なヴィンテージで顕著に表れ、「マルゴー復活」として市場を驚かせた逸話は現在も語り継がれています。気品と複雑さを兼ね備えたシャトー・マルゴーは、まさに「女性的なワイン」の象徴とされ、多くの愛好家を魅了し続けています。

市場参考価格は国内オンラインショップのうち品質に気を配っていると思われるショップ約20店舗の毎月月初の最高値を表示しています。

詳細はhttps://www.wine-searcher.com/average-priceをご確認ください。